「若者はこう考える」と書く前に、アンケートの対象を読む
SNSの調査で大きな割合が出ていると、そのまま企画の根拠に使いたくなります。私は結果のグラフを見る前に、誰に聞いた調査なのかを確認します。回答した人が変われば、その数字で説明できる範囲も変わるからです。
SNSの調査で大きな割合が出ていると、そのまま企画の根拠に使いたくなります。私は結果のグラフを見る前に、誰に聞いた調査なのかを確認します。回答した人が変われば、その数字で説明できる範囲も変わるからです。
コムニコの企業・ブランド公式アカウントに関する調査は、2025年10月に実施したものです。対象は全国の18〜69歳の男女で、記事ではXとInstagramのキャンペーン参加者を各600名として紹介しています。10代だけに聞いた結果でも、各SNSの利用者全体を表す結果でもありません。
この条件を見たうえでなら、キャンペーンに参加した人が何を期待したかを考える材料になります。例えば、賞品に興味を持って応募した人へ、商品を選ぶときの比較情報を見せる案は考えられる。ただし、この調査だけで「高校生はこういう投稿が好き」とは書けません。
自分の企画に近い質問かを見る
知りたいのが「フォローを続ける理由」なのに、引用するのが「SNSを使う理由」なら、答えている疑問がずれています。利用時間が長いことから、企業の宣伝もよく見ると決めることはできません。動画を楽しむ時間と、用具を買うために調べる時間も分けて考えたいです。
若い野球ユーザー向けの発信を考えるなら、普段どのSNSを見るかに加えて、用具選びで何に迷うかを知りたい。サイズ、手入れ、価格、部活での使い方など、投稿にできる問いまで近づける。広い調査は媒体を選ぶ材料として使い、具体的な企画は、その対象に合う調査や実際の質問と照らします。
資料には、数字と一緒に対象、回答数、調査時期を残します。年齢別の内訳を確認できないときは、全年代の結果として扱う。「Z世代」というラベルを後から貼るだけで、若い人の意見にはなりません。
提案で使う文章も、「この調査ではキャンペーン参加者にこういう傾向がある。今回は用具への興味がある人を対象に、選び方の企画を試す」とつなげるほうが自然です。調査で分かったことと、これから試す案の境目が読めると、企画を変える理由も説明できます。