字幕の確認では、会話以外の音も必要かを考える
声を文字にしても、映像の意味が伝わり切らない場合があります。話者や物音など、音を聞けない人に必要な情報を確かめる視点を紹介します。
話している言葉はすべて字幕にした。それでも音を消して再生すると、なぜ人物が振り向いたのか、誰の声に反応したのか分からないことがあります。会話の文字起こしだけで、その場面の意味まで伝わっているかは、別に確かめたい部分です。
W3Cの字幕に関する説明では、音声と同じ言語の字幕について、会話以外の音の情報も扱っています。また、自動で作られた字幕は、正確さを確認して修正する必要があると説明されています。声を認識できたことだけを、確認の終わりにはできません。
例えば、店員が片付けをしているところでドアの音が鳴り、お客さんの方を見る短い動画を考えます。ドアの音が場面を理解する手がかりなら、その意味が分かる文字を添える方法があります。反対に、背景に音楽が流れているだけの場面で、すべての音を細かく書き込むと、画面を読む負担が増えます。
判断するときは、その音がなくても行動の理由や会話の流れが分かるかを見ます。画面の外から別の人が話すなら、誰の声かが必要になることもあります。同じ発言でも、笑いながら言っているのか、強く注意しているのかで意味が変わる場合は、表情と文字の両方を確認します。
自動字幕では、名前や数字の誤りに加え、否定の言葉が抜けていないかも見直します。「できる」と「できない」が入れ替われば、映像の説明は逆になります。音声を聞きながら字幕を追う確認と、音を消して映像と字幕だけを見る確認を分けると、違う種類の不足を見つけられます。
字幕の量を増やすことが目的ではありません。誰にとって、どの情報がないと意味を読み取れないかを考える。完成前に一度、音を聞かずに見て、人物の行動と会話のつながりを説明できるかを試してみると、追加すべき文字が具体的になります。