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創作

「待たされた」で終えず、何が負担だったかを書く

同じ不満でも、時間が長いことと、注意を払い続けることは別です。出来事と自分の感じ方を分けて書くと、伝えたい経験が具体的になります。

「待たされて嫌だった」と書いた文章には、いくつもの理由が入れられます。時間が長かった。予定に遅れた。呼ばれるまで気を抜けなかった。同じ言葉でまとめられていても、書きたい経験は少しずつ違います。文章を具体的にしたいときは、強い形容詞を探す前に、理由を分けてみる方法があります。

呼び出しの仕組みについて気持ちを説明したポストでは、待つこと自体よりも、やり取りが増えることや、呼び出しに注意を払い続けることが負担だと語られています。書き手本人が、自分の感じた不快さを、もう一段細かく説明している文章として読めます。

この文章を手がかりに、例えば「店で落ち着かなかった」というメモを書き直すなら、何が起きていたかを並べてみます。名前を呼ばれる場所から離れられなかったのか。順番が見えず、何度も確認したのか。それとも、別の予定を決められなかったのか。実際にあったことと、自分がそう受け取ったことを分けて書きます。

誰かの意図まで決め付ける必要はありません。「店員は客を気にしていない」と断言するより、自分が何を見て、何に困ったかを示す方が、経験を具体的に伝えられる場面があります。相手の行動を批判する文章と、自分の感覚を伝える文章では、確かめるべき内容も変わります。

創作でも、この分け方は人物の描写を考える手がかりになります。落ち着かない人が時計ばかり見るのか、出口の方を気にするのか、呼び出しの音に反応するのか。同じ感情でも、理由が違えば、書く動作を変えられます。実体験を書く場合は、なかった行動を具体例のように足さず、覚えていることを確かめます。

下書きに「嫌だった」「うれしかった」「不安だった」があったら、その直後に「どの瞬間にそう思ったか」を一度だけ書き足してみる。すべてを詳しく説明するためではなく、その文章で残したい経験を選ぶためです。理由が一つ見えると、短い文章でも、読み手が場面を想像しやすくなります。